和田重次郎像米アラスカに ミュージカル公演契機
犬ぞりで北極圏を探検した愛媛県出身の冒険家・和田重次郎(1875~1937年)の銅像が米アラスカ州南部スワード市に設置され、23日に現地で除幕式があった。和田重次郎顕彰会(松山市)によると、海外に建てられたのは初めて。
スワード市は、重次郎が州南西部アイディタロッド鉱山までのトレール(雪道)を開拓し、物流拠点として栄えた。同会によると、2015年5月に同市で上演されたみかん一座(松山市)による重次郎を紹介したミュージカルなどがきっかけになった。地元の犬ぞり使いダン・シービーさんらが発起人となり、市民らから約700万円の寄付を集めた。
除幕式で高さ約2メートルの像が姿を現すと、約140人の列席者が拍手で歓迎。松山市に顕彰碑を建立したときに歌った「故郷(ふるさと)」を日本人が合唱し、最後は現地の人と手をつなぎ歌い上げた。
日本から出席した顕彰会の上岡幹夫事務局長(61)は「歌っているときに思わず涙が出た。達成感でいっぱい」と感激。「海外のファンを増やし、新たな情報が見つかることを期待したい。ゆくゆくは米国、カナダ、日本に散らばる重次郎の研究成果を集約したい」と話す。